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非居住者などに対して行われる源泉徴収の仕組みについて教えてください。

 

外国法人や非居住者に対して、国内で発生される国内源泉所得を支払う人は、その支払いの時に所得税・復興特別所得税を源泉徴収し、納める義務を持っています。
この国内源泉所得が国外で支払われる場合は、源泉徴収の必要はないのが原則ですが、その支払者が国内に居所か住所を持っているか、国内に事業所や事務所またこれらに準じるものを持っている際には、国内での支払いだと判断し、源泉徴収をすることになります。
組合契約事業で発生した利益の配分は、組合契約を結んだ組合員の資格を持っている非居住者などがその組合契約の定めによった計算期間で発生した利益につき金銭かそのほかの資産を対価としてもらう場合は、配分する人をその利益を支払った人とみなします。
源泉徴収の時期は、現実に源泉所得を支払う際となっています。すなわち、所得の支払いが確定しても、実際の支払いを行わない限り、源泉徴収の必要がなくなります。
ただし、配当などの支払いが確定した日から1年を超えた日までに支払いが行われていない場合はその1年を超えた日に源泉徴収が行われ、組合契約事業からの利益にかんして、組合契約の定めによる計算期間の最終日の次の日から2か月を超えた日までに支払いが行われていない場合はその2か月を超えた日に源泉徴収が行われます。また法人の役員の賞与の支払いが確定した日から1年を超えた日までに支払いが行われていない場合はその1年を超えた日に源泉徴収が行われ、割引債の償還差益はその割引債を発行する際に行われます。
こういった源泉徴収税額を納めるには、徴収した日が含まれている月の次の月10日までに「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(納付書)」を添付していちばん近い金融機関や管轄税務署の窓口、またはe-taxで納めることになります。
源泉徴収が国外で行われ、その支払者が国内に居所か住所を持っているか、国内に事業所や事務所またこれらに準じるものを持っていて国内での支払いだと判断された場合の納付期限は事務手続きなどを配慮して次の月の最終日となります。

海外で勤務をしています。この場合不動産から得た所得の納税の手続きはどうなるのでしょうか。

 

日本内の会社に所属している給与所得者が、1年を超えた予定で海外の支店等に転勤することになると、日本内の住所を持っていない人の扱いになり、所属税法上非居住者になります。
このような非居住者は、出国する日までに一定した所得がすでにあるとか、国内の財産の譲渡で得た所得、出国後国内の不動産の貸し付けなどによって得られた所得などの日本内で発生した所得がある時は、確定申告を日本でする必要があります。
この場合には、前もって税金の納付や確定申告書の提出を非居住者の代わりにする納税管理人を決めて、「所得税の納税管理人の届出書」を非居住者の管轄税務署長宛てに提出するひつようがあります。この納税管理人は個人か法人どちらも大丈夫です。
出国した日が年の中途になったら、その年分は当年1月1日から出国する日までの期間内に発生した所得全てと、出国日の次の日からその年の12月31日までの期間内に発生した国内源泉所得を合わせて確定申告をすることになります。この場合の提出期限は、納税管理者の届出書が提出されたか、されていないかによって、以下のような違いが発生します。
1. 納税管理人の届出書が出国日までに提出された
その年分は当年1月1日から出国する日までの期間内に発生した所得全てと、出国日の次の日からその年の12月31日までの期間内に発生した国内源泉所得を、納税管理人を通して次の年2月16日~3月15日までの間に確定申告書の提出することになります。
2. それ以外
(1) 出国前の所得だけの確定申告:当年の1月1日から出国日までの所得に関して、出国日までに確定・準確定申告をしなければなりません。もし1月1日~3月15日の間に出国日がある場合は、出国日までに前年分の所得の確定申告書の提出も必要です。
(2) 出国する前の所得と出国した後の国内源泉所得の確定申告:出国前の所得の確定申告を行ったとしても、出国日の次の日から当年12月31日までの国内源泉所得に関しては、次の年の2月16日~3月15日までの期間内に確定申告をする必要が生じます。
この場合の税額は、該当申告書で計算した税額から出国前の所得だけの確定申告で計算した税額を引いた残額になります。もし、該当申告書から計算された税額が出国前の所得だけの確定申告から計算された税額より少なかった場合は、その差額がもどります。
最後に、海外で勤務をし始めた年の次の年以降も、日本内で発生した国内源泉所得に関しては、日本で確定申告を行う必要があります。この場合の提出期限は次の年2月16日~3がつ15日までとなります。

海外で勤務をしている顧問や相談役などが含まれる役員などに支払われる給与の税金はどうなるのでしょうか。

 

日本内の会社に海外支店などに転勤することになった給与所得者は、日本内の住所を持っていない人の扱いになり、所属税法上非居住者になります。このような非居住者がもらう給与は、給与の支払いを行う会社が日本の本社であっても、勤務地が外国であれば日本の所得税の課税はありません。
しかし、日本の法人の役員の場合はその扱いが違います。役員の給与に関しては、日本国内で発生した所得という扱いになり、支払の前に20%の日本の所得税が源泉徴収されることとなります。この源泉徴収の対象には、支店長など使用人としての常時勤務をする役員は含まれていません。
こういった役員の給与の課税の取扱いについて日本はいくつかの国と租税条約を締結しており、その租税条約が最優先となります。

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